その日も、懲りもせずバゲット修行に励んでいた。
どうしても綺麗に焼けない、クープが開かない。と
泣きながら仕事中の夫に電話をする。(鬱陶しい嫁)
「今、それどころじゃない。地震がきてて大変なことになってる」と
慌しい会社の音を後ろに夫が言い
「バゲットが~・・」とうだうだ言ってる電話を途中で切られる。
地震といってもいつもの地震じゃん。と
夫に足蹴にされ、パンも上手く焼けないことから不貞寝をしてると
パン妹から電話。
「やっと電話繋がった。津波大丈夫?」
え?地震って東北でしょ?なんで鹿児島に津波?と
まだこの時点ではパン焼けないことのほうが重大だと悩んでた
のん気を超えて腹立たしい程の間抜けた私に
「テレビくらい見て」とパン妹。
そこで始めて気がつく。
言葉が出ない。
パン妹の住んでる地域でも震度6。
なのにこっちも心配して電話くれてありがとう。
そして腑抜けな姉でほんとごめん。
日頃テレビを全く見ない私だか、その日からテレビに釘付けで
夜中寝てても、ふと目が覚めてテレビをつけ現状を確認する。
焦りと苛立ちと恐怖。が一緒にやってきて
被災地の映像を見るたびに、震えがとまらない。
何をしたらいいのかわからない。何も出来ない。
被災地の物資不足のニュースを見ながら
ただただ連日、映像を見ながら、泣きながら、
自分を責め立てるように過食し続けてる。
夫は物流関係の仕事のため、土日休みもなく
平日も0時を超えての帰宅。
家でただひとり、泣く、食べる、疲れて寝るを繰り返す。
地震速報が入るたびに、揺れてないはずの鹿児島なのに
私は揺れを感じ、毎回慌てて
枕元と玄関近くに置いた避難リュックと貴重品等をまとめたバッグの中身を確認する。
私のあまりの情緒不安定さに「テレビは見ないほうがいい」と
夫から止められたけど、見ずにはおられない。
こんな私は被災地にボランティアに行っても邪魔になるだけだし
もちろん医療や原発の知識もなく
本当に無力で非力で
一日でも早く、被災された方々が安心して過ごせますように。
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- 2011/03/22(火) 17:18:01|
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